IT業界の管理職として、正社員エンジニアの中から選ばれることは昔からよく見かけられる。マネジメントやマーケティングなどに対して見識のある人材が見つかり、現場での経験を十分に積んだと考えられた時点で昇進するという形になるだろう。
以前はそのような優秀な人材がしばしば見つかっていたものの、次第にエンジニアとしての能力は高くても、それ以外の部分を見ると管理職としては適任ではない人材が多くなってきてしまっている。そのため、企業としては管理職の充実に苦労している状況が続いてきた。
その対策として最近行われるようになってきたのが、非正規社員の抜擢である。
非正規社員の中からチームリーダーやプロジェクトマネージャーなどの管理職を抜擢し、正社員の管理に当たらせるという形が定着している企業すら増えている。有能な正社員の人材を獲得するのが難しいのなら、経験のある人材を一時的にでも雇用してプロジェクトを円滑に進めつつ、社内の人材も育て上げようと考えられているためだ。
派遣社員を活用すると派遣会社に相談すれば経験のある人材を紹介してもらいやすく、企業として必要な能力を持っているエンジニアを確保できる。また、契約社員として働こうとしているエンジニアを探すことで、さらに有能な人材の獲得に成功している事例も少なくない。
このように、非正規社員を効果的に利用する傾向が強まっているため、管理職を目指す場合にはあえて派遣社員や契約社員になるのも賢い選択肢だろう。